なゆ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのなゆのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

レオナルド・ディカプリオが演じているのに、一度も格好良くならないの凄い。妻を愛しているのは本当だろうが、妻が大切にするものには目が向かない。娘でさえも亡くなってから気付く。一貫して長いものに巻かれる男の泥臭い情けなさに目が離せずあっという間の鑑賞でした。
他責、ずっと他責の男。妻の大切な人々を奪うことに加担していても防ぐことはせず叔父の命を愚直に自分の手以外で叔父の名を使って遂行してきたくせに、土壇場で叔父を裏切り妻には謝らず嘘をつく男。妻モーリーと対照的も対照的。
どうやら原作は捜査官が主人公らしく、そうではなく犯罪者側の一番地味とも言える役柄を主人公にした映画なの思い切りが良いし捜査官が主人公の物語とは全然違うものになっているだろうなと思う。事件を解き明かす物語でなく情けない男が情けないままに堕ちていく物語…
それにしても圧倒的な迫力があるというわけでもなく静かに淡々と恐ろしい叔父であるヘイル演じたロバート・デ・ニーロと、登場時点で芯の通った強い女性をその落ち着いた存在感と真っ直ぐ見通す目で演じたリリー・グラッドストーンの2人も素晴らしかったです。
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