ミヤマレベッカ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのミヤマレベッカのレビュー・感想・評価

4.5
近年のスコセッシ作品が大好きなのですが、今回もどツボにハマる作品でした。派手な展開はないのに、作中の人々の機微を追うのにひたすらに夢中になってしまう、そんな映画です。
1920年代、先住民が住む地域で石油が発掘されたことがきっかけで、次々と先住民たちが殺害された実在のエピソードを映画化。欲にまみれた男たちの悪意がひたすら繰り広げられる3時間強。
何者でもない薄っぺらな主人公アーネストを通して見る人々の悪意が本当に愚かで虚しい……
主人公が自分のやってしまったことがいかに浅慮で残酷な仕打ちだったのか気付くまでの演技はさすがのレオ様クオリティで、深みのあるキャラから薄っぺらな小悪党未満のキャラまで何でもサラッと演じてしまう。相変わらずの名優ぶりを披露してくれていました。
そしてもうひとりの主人公でもあるモーリーを演じたリリー・グラッドストーンの存在感たるや。セリフのないシーンがめちゃくちゃいいです。
いかにも分かりやすい作品ではないけれど、社会的なメッセージも含め拾えるものがたくさんある名作です。こういう映画を作るろうとする監督も、その監督の想いに応えるキャスト陣もすご過ぎる。
ミヤマレベッカ

ミヤマレベッカ