🎬2024年劇場鑑賞5本目🎬
スコセッシ×ディカプリオ×デ・ニーロ!!これは祭りです。
舞台は1920年代のアメリカはオクラホマ州。
石油を掘り当てた事でアメリカいちの金持ちになった原住民・オセージ族と彼らの金に群がる白人たち。
そしてそんなオセージの街に名士である叔父(ロバート・デ・ニーロ)を尋ねてやってきたアーネスト(レオナルド・ディカプリオ)。
叔父たちに勧められるがままにオセージの女と結婚して豊かな暮らしを送るアーネストだったが、白人たちの欲は尽きずやがて歴史に残る殺人事件へと発展するのだった……
観終わって時計を見て驚いた。上映時間206分!!そんなにあった!?
これだけ長い映画を全然長さを感じずに観れたと言うだけで良い映画である事は間違いない。
もちろん劇的なシーンも多数用意されているが、俳優たちの演技にスポットを当てた静かなシーンが多くてそこも好みだった。
中でもオセージの娘でアーネストの妻になるモーリーを演じたリリー・グラッドストーン、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるのも納得の名演だった!
出会いのシーンからヘラヘラしてアホっぽいアーネストとは対極的に、聡明で芯が強く心の美しいモーリー。
モーリーのキャラクターが魅力的だったからこそ、後に議題に上がるアーネストの恋心が金の為の嘘だったのか、いやこんな素敵な女性なら本気なのでは?という問題にも深みを与えているし、そんな本気で好きな女を周りに流されて手にかけてしまうアーネストの浅はかさも鮮明にさせている。
ロバート・デ・ニーロは近年は優しいおじいちゃんの役を演じることが多くなったが、まだまだしっかり怖いし終盤の没落っぷりも見事。
「キングオブコメディ」をどこか思わせる怪演だった。
ディカプリオの主体性がないダメ男っぷりも堪らない。
レオ様がこういう役をやる度にオーラって消せるんだなと感心している自分がいる。
しかし、こんな酷い話が実話だなんて信じ難い。
近年ではアメリカを開拓したコロンブスを祝う祝日を廃止にしようという動きがあるとも聞くが、本当にここ数十年以前のアメリカは植民地支配によって成り立っていたんだと再確認できる。
自戒の為にも、そして後世にこんな事件があったと残していく為にもこういう作品は重要だと思うし、それを名監督、名俳優が行っているのは褒められるべきだ。
長く続いたコロナ禍に俳優ストライキで心が折れそうになる日もあったが、こんな良質な映画をまた映画館で見れて心底嬉しかった。
(今度はトコジラミが映画館で流行らないのを祈る限り…)