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幸せへのまわり道のjamのレビュー・感想・評価

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)
4.3
生きていくなかで
心の中が澄み切ってクリアな状態になるというのは、
実はそんなにないのではないか
自分一人で居てもたいていはなんらかの感情があり
意識せずともその感情に行動が影響されている気がする



職場の後輩に懐かれた
異動して最初に声をかけてくれた彼女は
4月入職の一年生
未経験の科での仕事に緊張していた私は
彼女に「一緒に勉強していこうね」と
おそらく、そこから話しやすいと思ってくれたのかよく話すようになり
かわいいワンコのように尻尾ふりふりしながら私の元へ飛んでくるようになり
しまいには「jamさんが居ないと…」などと言うまでに
さすがにいろんな意味で大丈夫かと心配になったけれど、好かれるのは悪いことじゃない

万人に好かれることなど不可能だし
それを目指すわけではないけれど
日々の生活のなかで、人と関わる以上
"嫌な人"とか"感じの悪い人"にはなりたくない

また別の同僚から言われたのは
"jamさんが私の癒し"
理由を尋ねると
ふんわりしてるけど、やることはきちんとやるからいいなと思って、と嬉しいことを言ってくれた

そうか
それこそ、最近の私の目指すものかも

フレッドのように聖人の如く
人の心に寄り添う 惜しみなく
大切な人にはもちろんそうしたい
けれど
愛が深いほど怒りを覚えた時に
それを赦すのが難しいという


父との関係から心が荒んでいたロイド
彼と彼を取り巻く人たちの絆を
あたたかな触れ合いの末に修復したフレッド
そのフレッドの信じられないほどの献身は
努力の賜物だと妻はいう

感情をコントロールする訓練
ピアノの低音の鍵盤をまとめて叩く
泳ぐ 聖書を読む
人のために祈る 一分間静かに

そうして
限りなくクリアに近い澄んだ心で
"お隣さん"に微笑む


この映画を観て
ずっと考えてきたことの答えが少しだけ見えた気がする

私は何のために生きてるのか?
…人に優しくするため
それは、自分が心地よく暮らしていくことに繋がる
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