こんな物騒なタイトルなのに
可愛くて
悲しくて
涙が溢れる
花粉で荒れた瞼にしみるしみる
殺さない彼と死なない彼女
キャピ子と地味子
八千代と撫子
テンポの良い軽妙な会話で語られる
3組の愛らしい物語
“殺さない彼”
絶え間なく吐かれる毒舌は空いてしまった穴を守るための壁
やさぐれ感とナイーブさを表現する間宮翔太郎が素晴らしい
高校生に見えないのはご愛嬌
“死なない彼女”
周りに流されず本音をこぼす
弱くて強い桜井日奈子
演技は初めて見たがコミカルな間の取り方といいなかなかやる
“キャピ子”
今やノリにノっている堀田真由
自分勝手なようで俯く姿のいじらしさ
あの笑顔は強力です
“地味子”
確かな実力は隠せない恒松祐里
地味でも派手でもしっかりとした軸を感じさせる
そして私の心を鷲掴みにした2人
“八千代”
抜けない棘が彼を縛る
クールなようで抜け感も見せる
普通なようで違うゆうたろう
“撫子”
その名のとおり
奥ゆかしくて素直でたおやかな箭内夢菜
彼女の穏やかで優しい語り口
何度も繰り返される「好きよ」
なんて素敵な響きなんだろう
聞いてるだけで心が温かくなりました
良質なキャスト
抜群の構成
それぞれの思いに涙が溢れる
残酷なようで救いを失わない
誰にでもオススメできる邦画の良さが詰まった良作です
