こばまさ

お嬢ちゃんのこばまさのレビュー・感想・評価

お嬢ちゃん(2018年製作の映画)
3.3
かなり前からアマプラのマイリストに入れていましたが、ジャケもタイトルも惹かれないまま放置していた作品。
『N号棟』の余韻があるうちに、萩原みのりを堪能します。


-みのり(萩原みのり)21歳。
海辺の町、鎌倉でおばあちゃんと2人で暮らしている。
観光客が立ち寄る甘味処でアルバイトをしている彼女は、生活する中で出会う男たちに絶対に屈しない。
誰にも媚びないし、甘えないみのり。
彼女は一体、何を考えて生きているのか-

“普遍的な日常の中に、嫌いなタイプの日本人がいっぱい”


もう、最初から最後まで、萩原みのりの為の映画でした。
なので、そこは満足だけど、内容的にはそこまで刺さらず。
たぶん、20代の時に観たら印象は劇的に変わったのかも知れない。

鎌倉の街並みや風景、みのりがおばあちゃんと暮らす家、みのりがアルバイトしているお店、どれもが生活の一部を切り取っているかの様で、入り込みやすかった。

その反面、出てくる人はほぼ全員何かがおかしい。
おかしいと言うか、これがリアルなのかな。
大人になるって、特別な境界線はないし、20歳を越えれば大人なんだろうし、自分の生き方は自分で決めるしかない。

とにかく登場人物が多くて、特にストーリーに繋がってない人も沢山出てくるんだけど、そのそれぞれ会話劇がどれも薄汚い。
結局は自分を正当化するだけで、誰がどんな風に傷付くかは見えていない。
だからこそ、みのりが変な人に映るけど、決してそうではない。
みのりは真っ直ぐなだけで、間違ってはいない。

真っ直ぐ生きるのも辛いし、屈折して生きるのも辛い。
若いから何でも出来るって、時にプレッシャーでしかないからね。
何が楽しくて生きてるか分からない時って、人生の中で間違いなく訪れる。
みのりは、そんな若者の代弁者なのかな。


刺さらなかったと言いながら、ダラダラと書いてしまった。
そんな風に他人を見てあれこれ人生を見つめ直す作品なのか、それともアジョシだから説教臭くなるのか、おそらく後者なんだろう。

130分は長い。
こばまさ

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