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惡の華のkokottoのレビュー・感想・評価

惡の華(2019年製作の映画)
3.5
原作、アニメ(ロトスコープ?)版を観た上で鑑賞。

山に囲まれた街で死ぬまで何も無く暮らすのかとモンモンとしながら中学に通う春日高男。
ある日憧れのクラスメートの佐伯さんの体操着を弾みで盗んでしまうが、それをクラスメートの仲村さんに見られてしまい、脅迫されながら自分の普通の人としての皮を剥がれ変態として開花していく。

ストーリー的には原作に割と忠実で良かったけど、原作のあのモヤモヤ、ジトジト、モヤモヤした感じ(語彙力無い)は押見修造の絵柄じゃないとなかなか出ないのかも。

伊藤健太郎はちゃんと弱々しくて変態の気持ち悪い感じ出てたし、玉城ティナのプッツン演技も良かった。
でも二人ともどー見てもスクールカースト上位の見た目だしどーしてもそこに違和感。また玉城ティナがキャンキャン叫ぶのもなんか耳障りだなと感じた。でも綺麗な顔から「クソムシ」をはじめ汚いセリフがバンバン出てくるのは良かった。
深夜の教室でめちゃくちゃにする場面も好き。完全に佐伯さんより仲村さんの方が綺麗やし可愛いやん。

別に自分を重ねたりする訳じゃないけど、思春期独特の訳もなくモヤモヤする感じ、絶望する感じがなんだか懐かしい。
結局ボードレールも変態も惡の華もそんな自分人とは違う自分に酔ってるだけな思春期ではないのかと思うがあの頃はそれが全てだった。
そうして結局「普通の人」になっていく。
いや、こいつらは全然普通じゃないけど。

主題歌はアニメ版の登場人物それぞれのバージョンのやつが好き。
春日の叫び、闇堕ちする佐伯さん、クソムシな仲村さん。
また聴きたくなってきた。

変なストーリーだけどなんやかんや思い入れが深い作品。


◆2021年 21本目
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