惡の華の作品情報・感想・評価

「惡の華」に投稿された感想・評価

h

hの感想・評価

3.8
最初の方はイメージ通りの展開で見易かったが、物語が進むにつれて視聴者の共感を意図的に引き剥がしていくような意図を感じる。
その結果二人だけの世界をより際立たせているように思えた。

終盤の海辺のシーンでの三角関係は既視感があるようで斬新だった。
Chakerai

Chakeraiの感想・評価

3.2
人間の心の中にある感情を拡大して描いている感じだった。極端ではあるけど、大なり小なり理解できる。佐伯さん、豹変ぶりが好きだったし、共感するところもあった。一方通行。
まさと

まさとの感想・評価

4.0
「思春期の痛み」的な映画。
もういい年のおっさんなのに今だにこの手の映画にぐっと来てしまう自分がつらい。
完成披露試写会から主な映画館で終了した10/24まで8回観に行った。
こんなに映画館に足を運んだ映画は初めて。

理由は伊藤健太郎くんのファンということ、伊藤健太郎くんの主演作だからというのが大きい。
でも、それだけじゃない。
2018年の秋。撮影は終了していて翌年の秋に公開する惡の華に主演すると知って、不安の方が大きくて原作を買って一気読みした。
原作を読んで不安は少し消えたものの、でも、どこまで演じるのか(脱がされる)の心配が大きくなる。
ビジュアルが公開され、健太郎くんの予想以上の中学生に心が踊る。
すごい!と期待が高まる。
でも、公開が近づき変態を連呼する予告にまた心配にさせられる。

完成披露試写会。
脱がされる心配は消えて、やっと安心できた。
でも、作品として素晴らしいのに変態を連呼した予告や興味を引くためとはいえ、しない方がいい下品な予告も公開され悲しくなる。
番宣でも必要以上に変態を連呼させられる健太郎くんにも心が痛む。
あれは青春映画。
春日が思春期の苦しさから人生が終わるような事件を起こしてもそれを乗り越える映画。
思春期に苦しんだ人への優しい映画。

思春期のモヤモヤを妄想で終わるか、実行してしまうかの差だけであって、あのぐらいは連呼するほどの変態じゃない。

観た人をいい意味で裏切りたくて変態連呼版も必要だったのかもしれないが、
映画冒頭の思春期に苛まれた方に捧ぐ、といったメッセージはもっと大声で言うべきだった!
青春映画ともっと大声で言うべきだった。

映画終了の日。
上映後のトイレでの会話。
「なんか、よくわからなかったわ」
「変態ってそれほどじゃなかったわよね、あれ、女の子のためでしょ。優しいよね。」
「変態っていうから観ないでいたけど、違かったよね?」
もっと違う宣伝で伝えていたらもっと集客やリピーターがいたはずなのに!!

確かに仲村さんは可愛さ優先でなく演じてるのも伝わってきたし、ドSに萌えたい人が観てもいいと思う。
でも、あれは受ける春日の演技があってこそ映える。
春日の身体が文学青年なのにガッシリしすぎという声もあるけど、そういう体格だからこそ、精神的に支配されているのが際立つ。
ひ弱な身体の人が演じたら見方によっては単なるいじめのようにも見える。でもあの身体だから、そんなふうには見えない。

ただ、普通人間になれない仲村さんなのに指先が綺麗なネイルなのに冒頭からビックリした。
錆だらけの町なのに首と鎖骨が綺麗に見えるスクエアネックのミニスカワンピ、絶対領域バッチリなニーハイソックスはAmazonか?! 中学生なのにボルドーな唇。絶対、普通人間、いやそれ以上だろ!と言いたい。
でも、春日にはこのぐらい綺麗に見えていた、ということで無理矢理納得する。

初めは春日くんの立場で観る。
でも、だんだんと仲村さんの立場、佐伯さんの立場で観るようになった。

仲村さんが春日くんに興味を持ったときからだんだんと恋心に変わっていく。
自分の方に向いていない春日にイラッとするからあの瞳で階段の下から2人を睨みつける。
教室での事件は最高の吊り橋効果。それを春日に確認させるように別れ際、握っている手を春日の目の高さにまで持ち上げて目で確認、自覚させる。すごいテクニック。
春日と2人で山の向こうに向かっていて心は繋がってると思っていたのに佐伯さんに聞かれると仲村さんが好きではないと聞かされる。
そりゃあ、魂もずくずくになる。
佐伯さんに春日くんが気づいてないだけだと、真の理解者は自分だと分からせたくて、あんな行為に。(いや、脱がせすぎだと思うけど)
恋が実りそうで、実らない仲村さんの気づきたくない恋の暴走だと思うとすんなり納得して観れるようになった。
あれは仲村さんの初恋物語だ。

海で寝転がるシーンも仲村さんと春日くんの手は近くに並んでいるのに繋がない。
手が近くに置いてあるのに未練と抜け出せないでいる自分でも春日くんを解放するべきだと思っている気持ちが見えて切なくなる。

でも、1番佐伯さんがかわいそうだ。
春日にあんなに想いを伝えられたのに春日の心が離れていく辛さ。
クラスのマドンナで優等生。いつの間にか自分が思うより春日を独占したくなっているのにクラスの異端児に取られ、クラス中に知られる悔しさ。
取り返したくて身体まで張ったのに突き飛ばされ仲村さんが好きだと直後に言われるなんて多感な時期に辛すぎる。
起こしては行けないけど事件をおこしたくなる気持ちもわかる。
再会して、こんな男が好きだった自分に苛立ち、変わっていない春日に怒りが沸いて痛烈な一言を春日にお見舞いしたくもなるだろう。
1番の被害者は佐伯さんだ。性格も歪む。

常磐さんはいいタイミングに来た。
春日が常磐さんに惹かれる原因はわかるけど、そこまで常磐さんに惹かれるかが私には納得できない。春日は受け入れてもらえて安心したかったのかな。

でも、春日は酷い男だと思う。
佐伯さんは見た目が好きなだけで中身は受け入れない。
佐伯さんはあの教室を見ても受け入れてくれたのに。
だからこそ、佐伯さんは苦しくて暴走して人生を狂わせた。
あれほど好きだった佐伯さんを理解しようとしない。
心が仲村さんに向かっているのに気づかないで佐伯さんも仲村さんも傷つける。

いつの間にか、2人の心を掴み、常磐さんの心も掴んだ魔性の魅力がある男。
酷いけど、すごい引力。
紙一重なのかもしれない。
私も惹き付けられた1人で、だから8回も映画館に行ってしまったのかな。

ただ、ラストの電車が遠ざかっていくのは好きじゃない。
あとはご想像にお任せします、のお決まりで今まで、ここまで見せてきたものは何だったの?と残念な気持ちになった。
しかも電車内の常磐と春日の笑顔が休憩時間のように軽い。
やっと恋人になれたじわっとした嬉しさはベンチで見れたが、その余韻を噛み締めている電車内の方がこれまでの紆余曲折からは納得できる。
良かったね、と素直に感情移入できる。
エンドロールの後に海で仲村さんと中学生が映って惡の華が咲く。
わからないでもないけどシナリオ通りの仲村さんと似ている人とすれ違う方がいい。
そのラストが観たかった!

観るたびに見方や感想が変わっていくのでレビューを書けないでいた。
ふと、今日は書けるかな、と思って書いてみたけど、うまくまとまらない。
まだ発表はないけど、円盤になって観たらまた書こうと思う。
ひめ

ひめの感想・評価

2.5
とりあえず原作が読みたい。設定の問題かもだけど漫画っぽさが抜けないしもうちょっと心抉られるのを期待していた。
私ってつまんねークソムシの部類なんだよな。だからちょっと憧れるっていうか羨ましさはある。
惡の華は個人的には凄く好き。胸が苦しくなるけどそれが後々良く感じてくる。
終始心を抉られ、観終わった今も感情の整理が追いつかない。実は誰でも心の中にああいう葛藤って持ってるのかな… あと、リーガルリリーの挿入歌がいい…
praline

pralineの感想・評価

3.8
嘘だろってほど心を抉られて、観た後は半日心が死んでいた。
でもそれほど乱されたのは、この映画がいい作品だってことだ。
いい映画は、楽しいとか面白いだけでなく、心を動かす映画だと思う。

もちろん誰にでも響く作品ではないと思うけれど、孤独や疎外感や自己否定、承認欲求、そういったものに溺死しそうな少年期を送った人なら、観て間違いない。
漫画で、アニメで観るより、実際の人間の姿と言葉で観るべき作品だった。
川本凌

川本凌の感想・評価

3.8
キツい。自分は変態で特別で、クソな世の中から抜け出したい気持ちは、結局孤独で寂しい人間がこじらせてるだけで、ほとんどの人生はそんなあっけないものなんだろうね。

でも、最後にはそんな“あのころ”に戻れる瞬間があって、それが思い出の中で微かな光になると思うと、少し救われる。

とりあえず玉城ティナは悪魔的魅力が炸裂してて完全優勝でした。
きもかったなあ 中盤からツボに入って笑い止まらんかった 玉城ティナ、何してても可愛くてすごい
あん

あんの感想・評価

4.9
本作のテーマの1つであると勝手に解釈している「人間の変態性の解放」と監督のシンクロ率の高さたるや。原作を心からリスペクトしつつ、井口ワールドを存分に展開している。うーーーーほんとに大好きだよーーーーーー!!!!
田舎という環境に難癖をつけながら難解な文学作品を読むことで他者に対する優位性を見出す春日(でも実態はふつーーの男の子だし性的衝動にかられて女子の体操着くんくんする)とその意気地の無さを解放に導く仲村さんというシンボルとのあれやこれやの3年間、という話。
思春期のもやもやとか恥とか失敗とか後悔とか、原作も読み手にうおーーーー胸糞ーーーでも最高ーーーって思わせる仕様なんだけど、それを愛情込めて映像化してくれてありがとうって心から思った。
映画は脚本、撮影、演出、配役、演技、etc…全てで成り立つのだ、ということを改めて感じたよ。
監督、ありがとう!生きててよかった!

まあ欲を言えば、低予算で単館でしか上映されない3時間verの井口監督の惡の華も見たいです!
>|