惡の華という映画を観た。
ある日、本作の主人公(春日)は同じクラスの仲村に弱みを握られてしまう。
弱みをダシに使われて、仲村と春日の奇妙な主従関係が始まった、、、。
こちらは、人気コミックを実写映画化した作品。
僕は原作を読んでいないので前情報一切無しでの鑑賞だったわけだが、独特な世界観を持った映画だった。
本作では、誰もが一度は経験する思春期が描かれていた。
思春期なんて、一生に一度しか訪れない最も長い最悪な季節だ。
十代なんて、持っている知識や経験はまだ乏しいのに三十人前後の人間との交流を避けては通れない。
他のクラスや家族や先生との人間関係を含めたらもっと膨大な人間関係を円満に築かなければ楽しく日々を過ごすことなんてできない。
それでいて中途半端に人としての印象の良し悪しはわかり始めていて、愛されたいとも思い始めている。
厄介な時期だ。
きっと、大人になった今より難しいことを知識も経験も能力も無いのに十代の僕らは一心不乱にこなしてきたんだろう。
まだ空っぽだった何も無い僕らがそれでもなんとか生きるために考えてとった行動が黒歴史なんだと思う。
色々間違えた。
最低で最悪だった。
それを肯定するつもりは一切無い。
過ちは過ちのままだ。
けれど、僕らは僕らなりにずっと頑張っていたんだ。
そう思える作品だった。
夜の教室に忍び込んで、二人で部屋一面塗り潰すシーンが印象的。
個人的には、文学少年の主人公が「本を読んでいる自分に酔っているだけだった」という台詞を口にするシーンが好き。
何を読んで、何を観て、何を聴いても、どれだけ繰り返しても、どれだけ数を増やしても、自分は自分だ。
自分が凄くなったわけじゃない。
学生の頃から僕も同じことを思っていた。
だからこそ、とても共感した。