おふとん

キングスマン:ファースト・エージェントのおふとんのレビュー・感想・評価

3.7
ルールが人を作るー。

キングスマンの誕生を描く「キングスマン」シリーズの前日譚にあたる作品。

大分前から予告編やってたような気がするんですが、延期に延期をかさねてようやく公開に漕ぎ着けたという感じですね。

「キングスマン」といえば、イギリスの伝統と若者文化を融合させて、007のパロディ的なスパイアクションとユーモア、過激な描写、キャラクターの魅力が秀逸で、特に第一作目は好きな作品なんですよね。

キャラクターが好きということもあって、あまり馴染みがないキャラが主人公のこの映画は、正直少し期待値が低めでしたが、そうはいっても中々楽しめました。

特に中盤のラスプーチン戦はキングスマンらしいテンポの良いアクションで最高でしたね。

ただ、今までのシリーズとちょっと違うのは少しばかりの歴史の教養が必要というところで。
ラスプーチンやマタハリ、ニコライ皇帝など実在の人物が出てくるのと、サラエボ事件から第一次世界大戦勃発までの流れっていうのは、ほぼ史実通りなので、序盤から中盤まではちょっと退屈。
いや、退屈というのは語弊があって、あれ?史実だとどういう感じだっけ?あとで調べ直さなきゃ、みたいなのがいっぱいあって観ている最中かなり頭を使う感じだったのですが、正直「キングスマン」ってそんな頭使う感じの作品だっけ笑っていう。
特に中盤のドイツ戦に関しては「1917 命をかけた伝令」とほぼ一緒、というか完全に戦争映画みたいな雰囲気なので、いやこれはこれで面白いんだけど、真面目すぎるというか「キングスマン」に求めていたのはこれじゃないんだよなぁ…という印象が拭えない。

ラストのアクションは中々楽しかったですが、ちょっとエンジンがかかるのが遅すぎたというか。
まぁでも「キングスマン」一作目が面白すぎただけで、ふつうに全然良い作品なんですけどね。

史実調べるとわかりますが、イギリスって戦争ばっかりしてて植民地での行いとこみてると全然、紳士的じゃないんですよね。

イギリス映画で、紳士なんて糞食らえとか、イギリスの歴史を苦々しく語る描写があったり、スコットランド問題について、ちょっとだけですけど言及する描写があったりっていうのは中々意義深いことなのかなぁと思います。
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