秋のコーラ

キングスマン:ファースト・エージェントの秋のコーラのレビュー・感想・評価

3.0
⚠️辛口です。色々と、『007』シリーズと比較したりします。

あまりの軽さと、主人公のキャラクター的魅力不足等により、過去2作は自分の好みでは無かったのですが、本作は中々に重厚かつ、レイフ・ファインズ主演ということで、そこそこ期待して行きました。


結論から言うと、不満点が色々と残る作品でした。
本作は、マシュー・ヴォーン監督ということもあり、『X-MEN ファーストジェネレーション』系譜の、「歴史的事実の裏ではこんなことありました」映画であり、スパイ映画と戦争映画の2つが合わさった作品です。
ですが、個人的には、どちらの面においても、かなり中途半端に感じました…




〜〜大きなネタバレは無いけど、軽いネタバレ含むかもしれないです〜〜




まず、戦争映画として見ると、
前半は、第一次大戦における、各国の様々な思惑や戦略が描かれていて中々に興味深かったですが、主人公一家の取る行動が、かなりチグハグに感じました。途中のとあるシーンと、それに対する対処の方法もかなり引っかかりました。
人命の扱いの軽さがマシュー・ヴォーンの特徴ですが、それがかなり気になってしまいました。
あまり、戦争映画として戦地での戦闘シーン等は監督の色に合ってない気がします。


スパイ映画として見ても、やはり大きな不満点があります。
自分は『007』シリーズの大ファンであり、ちょいちょい登場するシリーズのオマージュシーンは、純粋に好きですが、
本作においてはラスボスの、変態性が皆無だったのは流石にガックリ来ました…中ボスのラスプーチンは、キャラクター的魅力も変態性も兼ね備えた見事な役回りだったのを思うと、非常に残念です。
ダニエル・クレイグ版『007』シリーズでずっと思ってた、中ボスキャラの不在や変態性の欠如という点に関しては、本作はクリアしていて、ラスボスの途中までの引っ張り具合は、スペクターのブロフェルドを思い切り意識した感じでとても良かったですが、
種明かしを重要視するあまり、とても薄すぎる敵になってしまいました。正体を現すシーンで、顔に何か傷を負ってたり、身体の一部が不満足であったりすれば良かったです、、
ラスボスのキャラ立ちに関しては、『キングスマン』1と2ではそれなりにクリアしていただけに、ガッカリしてしまいました。

ラストバトルに関しては、『007 ユア・アイズ・オンリー』を意識したロケーションで、かなりテンション上がりましたが、『ユア・アイズ・オンリー』でもそうだったけれど、ラスボスが薄い。。何度も言いますが、やっぱり敵キャラが魅力的じゃないと、スパイ映画としての魅力も減ってしまうように感じてならないです…

それから、ジェマ・アータートンとジャイモン・フンスーの背景も全く描かれないのも、気になりました…特にジャイモン・フンスーに関しては、過去の出演作的に、いつ裏切ってもおかしくないなと思ってたら、ずっと忠実な召使いで、勝手に肩透かしを食らいました。
ただ、『007 慰めの報酬』を意識したキャスティングだと思いますが、ジェマ・アータートンの扱いに関しては、『慰め~』ではかなり酷かったのに対して、本作では見せ場がかなり用意されてたのは良かったです。でも、何であんなに強いのかちょっと説明欲しかったです。


ラストだけが前2作と繋がる展開になっており、前日譚映画としても少し物足りなく感じます。(実は隠れて色々と繋がるアイテムはあったかも)そもそも、前2作がそれほど好みでない時点で、感もありますが、、
自分が直前に観た『アンダーワールド:ビギンズ』の方が、前日譚映画としてよく出来ていたと思います。

それから、ダニエル・ブリュールは『シビル・ウォー』といい、このような役柄が多いですね…笑
もうちょっと絡んでくるかと思ったら、登場シーン少なくて少しガッカリしました。

あと、エンドロール後の映像も、かなりドキッとしてしまいました。割としっかり戦争映画してたのに、あの人をこんなに軽く出しちゃっていいの…?
後ろに座ってた外国人2人組は、揃って「Holy shit!」と言ってました笑




長々と回りくどく書いてきましたが、結論として、自分はやっぱりマシュー・ヴォーン合わない気がします。。(『X-MEN ファーストジェネレーション』は別)
あと、本作に関しては、途中かなりダレました。
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