よしえ

キングスマン:ファースト・エージェントのよしえのレビュー・感想・評価

4.8
2021年最後の劇場映画鑑賞は、永らく公開を心待ちにしていたキングスマン。
いや、待った甲斐があった。年の最後に良い作品で締めくくることができた。
アクションシーンこそ前2作に比べるとやや控えめながら、代わりと言ってはなんだけど精緻に練られたストーリーと第1次対戦の裏側という大胆な作り込みが素晴らしい。グロテスク表現が極力抑えられてて、Xメンを撮ってた時のような端正なマシュー・ヴォーンだった。端正じゃない時のやりたい放題のマシュー・ヴォーンは前2作でお腹いっぱいなので、これくらいがちょうどよい。ちなみにバランスがいいのはキック・アス。
ストーリーとしては、コンラッドが名前を偽って前線に出てから戦死(厳密に言うと違うのだが)するまでの辺りの緊迫感と、息子の死から立ち直ったオックスフォード公が敵地に乗り込む辺りの高揚感が素晴らしい。後者は特に若くない身体を気力で引っ張っていく公の、愛国心と裡に秘めた復讐心が痛いほどに理解できて最高にかっこよかった。『キングスマン』におけるハリーの例の教会のシーンと同程度に記憶に刻まれることと思われる。

キングスマンシリーズはエグジーの物語に決着をつける次作が制作決定したようなので、楽しみにしている
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