キミシマユウキ

インソムニアのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

インソムニア(2002年製作の映画)
3.4
24時間明るい白夜の街にある殺人事件を捜査しに来たベテラン刑事。しかし犯人追跡中に彼が濃い霧の中で撃った相手は・・・

クリストファーノーラン監督、何故かジョージクルーニーが制作総指揮、ノルウェーの同名映画リメイクサスペンス。

「メメント」から「インターステラー」まで常に自分の期待を裏切らない大好きなノーランの作品を2つだけ見ていなかったのでハードルを上げて視聴。

おやおや?あれあれ?
内容があまり面白くないぞ??
というのが正直な感想。
結構ありがちな王道サスペンスであり、謎解きの爽快感もなく淡々と事件が解決に導かれていく流れは2時間という尺には長く退屈。
ベテラン刑事の割に細かいミスをするし、犯人も頭がいいのか悪いのか中途半端なキャラ。ノーランが私の期待を裏切った!
というよりすこしハードルを上げすぎたのだろう。普通のサスペンスものとしては合格点だし、ノーラン独特の重厚な雰囲気や「正義とは?」というテーマにも触れてくれるので楽しめる。

そして役者の演技合戦のおかげでまだこの映画は観れる。
白夜のせいで不眠症に悩まされるベテラン刑事主人公にはアルパチーノ。
さすが、マフィアや刑事役でここまで説得力のある役者はいない。前半の切れ者臭から不眠症でヨボヨボの小物臭まで素晴らしい。最近の哀愁漂う感じ、好きだ。
そして犯人役にはロビンウィリアムズ(ネタバレではない)
コメディアンな彼には珍しい犯人役。飄々としていて冷静、しかしこの役がもっと魅力的ならこの映画は面白くなっていたと思う。惜しい。ロビンは上手かった分脚本を恨むべきか。

若干の酷評になってしまったが、役者陣の演技や普通のサスペンスとしてはそれなりに楽しめる出来に仕上がっている。
さてノーラン残すは「フォロウィング」

刑事モノサスペンス好き、クリストファーノーラン監督好き、アルパチーノ、ロビンウィリアムズファンにはオススメの作品。