スタジオライカの作品はまだ『KUBO 二本の弦の秘密』しか見たことないですが、今作の方が好きだし面白かったです。最高でした。
"ストップモーションアニメ"という手法は映画始まって2分経てばもう意識しないほどの領域に到達してしまっている。映画ではなく、芸術作品として永久保存しておいてほしい滑らかな映像にうっとりしました。未確認生物ハンターで自分第一の貴族紳士と、なぜか英語を喋れるビッグフットの異種バディロードムービーとしても面白い。『インセプション』を彷彿とさせる船中での縦横無尽なアクション、大抵の映画でダレ場になりがちな夜に心情を語り合う静かな場面でも、二人の命を狙うハンターの視点を入れることによって緊張感が生まれていたのも良かったです。純粋に楽しめる作品ですが、後半はトランプ政権下のアメリカを風刺しているんじゃないかなと思えるような展開や言動があってやっぱりスタジオライカの作品だなと思いました。主人公は常に自分ファーストの人間だし、敵となる貴族クラブの会長みたいな人は勝手な横暴を行ってとある世界を分断させてしまうし、考えすぎかもしれないけどこういった所も見応えがある。奥深い摩訶不思議なワールドを存分に楽しまさせていただいた。
