ジョジー

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのジョジーのレビュー・感想・評価

4.0
思うように生きたいと福祉施設を脱走したダウン症の青年ザック。喪失感から抜け出せず一匹狼となった漁師の青年タイラー。境遇は違うし凸凹ながら息の合ったふたりの逃亡劇なロードムービーでした。
他人の心ない言葉によって、ザックの心に植え付けられた自嘲の気持ちがタイラーによって覆され、自己肯定感を高めていくところが好き。
ザックを見守るタイラーの温かい眼差し、タイラーの幸せを願うザックの優しさ…涙腺が緩むシーンがたくさんありました。
懐かしさを感じたのはカントリーとブルースな音楽だけでなく、時代を遡った感がある風景かな。
まるで童話の中の冒険の如く、友情を育み信頼が生まれ、絆が深まる。ありきたりと言えばそれまでですが、何かすごくいいんです。
『友達は自分が選べる家族なんだ』
前半でブルース・ダーン演じる老人がザックに教えてくれるこの言葉が心に染みます。とても良かった。

タイラーを演じるシャイア・ラブーフはあまり好きな俳優さんではなかったけど、今作の繊細な演技には魅了されました。
ザックを演じるザック・ゴッツァーゲンの真っ直ぐさは本物だし。紅一点ダコタ・ジョンソンが加わっての展開も良かった。ザックが憧れるプロレスラーを演じるトーマス・ヘイデン・チャーチはいつもながら存在感たっぷりでいいキャラでしたよ。

2020年劇場鑑賞16本目
ジョジー

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