Mursh

ザ・ピーナッツバター・ファルコンのMurshのレビュー・感想・評価

3.8
久々の「障がい者」との友情名作。

昔は多かったこれ系のジャンル。
「ダウン症」といえば「8日目」という名作がある。今作は、かなり長い時間が空いてしまっているが、まさにそれに続く名作と言える。

最近はポリコレやらで、多種多様な方々へやたらと無駄な配慮をし過ぎている映画業界。こういったジャンルを作るのは「やめた」と思っていた。

病気の子との友情といえば「マイフレンドフォーエバー」「マイフレンドメモリー」「サイモンバーチ」が同ジャンルでどれも名作。
弱者に対し優しくする姿に素直に感動できた良い時代だった。

残念ながら今は違う。少数の捻くれ者が声を上げるツールが増えてしまったことで、やかましい声だけやたらと通る社会になってしまっている。
それに屈したのが今のハリウッドである。(世界的にそうだけど・・・)

そんな時代の中で今作はよくぞ作ったと言える名作である。

主役のダウン症の子が「自分はダウン症だ」とハッキリと言うあたりも良い。
施設の女の人は、自分の仕事やこれまでの人生を「ボランティア」と言う言葉一つでなんとか正当化し続けているが、ダウン症の子とシャイアラブーフの純粋な友情に自分のこれまでの生き方の一部が「偽善」であったことに気づかされる点、こういったところもまさに現代社会に宛てたメッセージのように感じて共感が持てる。

ダウン症の子の永遠のヒーロー、謎のローカルプロレスラーも非常に良いキャラである。

全員が名作映画ならではの鉄板のキャラ設定で、自然味あふれる映像の中、純粋な友情や恋愛等をシンプルに楽しむことができた。
ロードムービーらしく、派手な盛り上がりはないが、飽きずに観れる。

やはり、映画はこうであってほしい!
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