自分の天職を失ってしまった時、夢を諦めなければいけなくなった時、人はその後どのように生きて行けば良いのか。
大怪我をし、馬に乗る事が出来なくなったロデオ・ライダーの苦悩。ライダーの主人公筆頭に、登場人物はみな実際の人物で、限りなくドキュメンタリーに近い、けどフィクション、なバランスが絶妙にうまい。
苛立ち、不安、未練、、淡々と夢に破れた青年の日々を映す。その世界しか知らない辛さ、閉塞感、男らしさの象徴のようなロデオライダーという地位からの脱落。
動物は動けなくなったら安楽死させる、怪我をし馬に乗れない自分、人間だけなぜ生き続けなくてはいけないのか。同じくロデオで半身不随になってしまった仲間の存在、妹の存在が希望。
あと、撮影が素晴らしい。
広大な自然の中、主人公が馬と触れ合い調教する姿の美しさよ。青とピンクが溶けていく空。
クロエ・ジャオ、ケリー・ライヒャルトに通ずる渋さあるなぁ(=好き、追っかけたい)
しかしこんな作品がしれっと配信スルーなんて!もったいない!でも観れるだけありがたい。劇場でこの感動を噛み締めたかった。