「あと一度落馬すればお前は死ぬより辛い目に遭う!」「上等だぜ!ロデオで勝負だ!」なんて言い切れたらどんなに良いか。現実で待つのは酷い後遺症と薬物汚染、馬と関係のないアルバイトばかりだ。
馬は美しい。草原を力強く駆ける。馬の筋肉は雄大で馬の瞳はやさしい。馬は美しい。
頭部を損傷し、馬に乗れば吐き、片腕は使い物にならない。それでもロデオを続けたい。頭ではこんな生活をやめるべきだとわかっている。それでも意思に反して手綱を手放さない左腕という「呪い」のなんと悲しいことか。
馬は足を怪我したら死ぬしかない。人間はどうだろうか。若者はカウボーイリハビリ施設を思い浮かべる。
人間はどうするべきか。馬は馬として存在しているだけで美しい。人間は……彼は悩み続ける。
これは傑作ですよ!