もりあいゆうや

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~のもりあいゆうやのレビュー・感想・評価

3.1
タイトルからもう面白い。

今作の主人公はみさえ。
がんばるママの姿は涙を誘う。
内容的には、子供の連れ添いで来たママパパをターゲットにしている。
とある演出で、とあるヒットソングが2曲流れるが、その2曲には微妙な時代の差がある。
これはどういう狙いなのか?
監督の好みなのか、中の人セレクトなのか、それとも親御さんの世代を想定してある程度カバーできるように幅を持たせたのか?
今年はパンフレットを買わなかったけれども、そういう解説が載ってたらいいなぁ。載ってないだろうなぁ。

舞台はオーストラリア。
冒頭でオーストラリアに行く動機だけ足早に説明してすぐ現地へ。
なので野原一家以外のレギュラーキャラクターは、風間くん、ネネちゃん、まさおくん、ボーちゃんが1シーン出るだけ。
クレしん映画は、野原一家が活躍する作品かかすかべ防衛隊が活躍する作品か、結構顕著に分かれるが、ここまでとは。

ゲストヒロインのインディ・ジュンコを演じたのは女優の木南晴夏。
声質も良くて自然な演技で上手い。
タレントがゲスト出演した時に感じる、あの残念な違和感がなかった。
今作では小島よしおとペコ&りゅうちぇるも本人役でゲスト出演してたけど、それぞれ笑えるシーンになっていて良かった。

しんちゃんの声優が矢島晶子から小林由美子に代わってから初めての劇場版。
まったく気にならないのが凄い。
ただいまだにひろしは…

銀河万丈、大塚芳忠、大塚明夫、渡辺久美子といった大御所から島﨑信長、悠木碧のような人気の若手まで、脇を固めるキャストも豪華。
そんな豪華なキャストを使っていながら、肝心のそのキャラクター達が不完全燃焼の活躍しかしてない。
声優を無駄遣いする一種のギャグとしてやっていても中途半端で笑えない。
単純に脚本家の実力不足だと思う。

笑えないといえば、本来なら見所の一つになるはずであろうダンスシーンと変顔シーンも過去作のそれには及ばず残念なものに。

ただ妙なこだわりがありそうなお色気要素は強かった。
それとインディージョーンズルックのしんちゃんがかわいい。