カリスマラッパーの初監督作品。
試写会に当たらなければ見なかったかもしれない映画。
ラップはどちらかと言うと苦手な年代。
でも、観て良かったです。
生まれた環境は変えられない。
抜け出せない日常。
淡々と仕事と家の往復で毎日を過ごすアトムの哀しく暗い瞳。
人との関わりを避けていたアトムの唯一の関わりがある家族と同僚達。
「自己責任」と言う言葉で責任逃れする大人達。
ひょんな事から知ったラップの世界との出会い。
アトムの世界がゆっくり少しずつ変わってゆく。
トークショーの中で脚本家と監督が、自分達は何でも言える部類の人間。
言いたい事を言えない側の映画を作りたかったと話していたのを聞いて納得しました。
野村周平が演じた孤独な青年アトムの諦めかけた瞳が、後半に少しずつ光と強さに輝いてゆくのが印象的でした。
今、希望も無く生きている若い人に見て欲しい映画です。
何処かに貴方の希望が小さいかもしれないけど有るはずだから…でも、探す勇気と手を伸ばさないと手に入らない事を知って欲しい。