けーはち

映画 少年たちのけーはちのレビュー・感想・評価

映画 少年たち(2019年製作の映画)
3.1
日本の男性アイドル業界を一手に束ねる王が最期に観る豪華絢爛な走馬灯と言ったところ。「ウエスト・サイド物語」的な類型で、少年院内での不良の対立・友情や死を描く群像劇。話は他愛もなくジャニーズのMVの合間に不憫な少年受刑者へのねちっこい萌えが吐露されるミュージカルだと思えば良い。事務所に入れられた彼らがいかなる仕打ちを受けたかを考えれば示唆的であろう。映画としてどうこうはさておき、少年たちのダンスや監督や曲の作家陣の仕事は手堅く、OPの1カット風編集は圧巻だし、曲もジャジィだったりHip-Hopやユーロビートと千変万化。いかにも舞台演劇、いかにもミュージカルなシアトリカルな曲想と、普通の売れ線ポップス、そして60年代オールディーズの香りを両立するような職人技が光る。