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ディープ・ブルーのkのレビュー・感想・評価

ディープ・ブルー(1999年製作の映画)
4.0
サメ映画に分類したら申し訳ないぐらい良い映画。普段クソサメ映画を観てる人間としては、たまにこういう作品を観るというリハビリが必要になります。
まず、クソサメ映画を観てると、サメって何だっけ状態になりますが、こういったハードな映画はサメが本来持つ恐ろしさを思い出させてくれて、心が洗われる気分です。
また、クソサメ映画ではそもそもサメがあまり映らないので、サメの心情など考える余地もありません。しかし、本作では、知能が強化されているという設定も相俟って、「サメが求めたものは自由である」というラストにグッときます。
それから、サメ映画は究極のところ、主人公はサメのはずなんですが、クソサメ映画はそのセオリーを意図的に無視して、サメ映画の皮を被るところが困りもの。本作は主人公がしっかりサメなので、申し分ないです。
あと、特殊効果、セット、小物、造型など、サメ映画なら予算を割くべき部分を積極的に削っていく姿勢が顕著なのがクソサメ映画で、酷いと爆発シーンなのに爆発の映像や音声がなかったりします。本作は、正にクライマックスの連続で、映像的にとても派手です。

この映画が公開されたのは1999年で、「ジョーズ」第1作目から約25年後です。その間、特殊効果技術は大幅に進歩し、そうした技術は本作のサメの素晴らしい表現を可能とし、本作がサメ映画の新しいスタンダードとなることに貢献しています。
2018年現在、この映画から15年以上経過し、技術は進歩を続けていますが、「ジュラシック・シャーク」や「ロスト・ジョーズ」を観させられる我々は、果たして幸福な時代に生まれたのか否か、非常に考えさせられます。
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