タイトルが好きな作品はいくつかあるけど、この作品もその一つ。映画館で発券する時に声に出すことが恥ずかしくもあり、少し清々しい気持ちにもなれた。
夏帆演じる砂田とシムウンギョン演じる清浦が、砂田の大嫌いな地元に帰る話。
砂田はなんでも思ったことを口に出すようなサバサバした性格で、それは清浦も同じ。車に乗り込むシーンから大声で本音を語っている彼女たちが、どうしても苦手だった。何も隠すことなく言葉にしちゃう感じ。ずっとこんな感じで続いていくのかと不安で、観るのやめておけば良かったかなと。それくらい2人の性格に馴染めなかった。
でも彼女の家族が登場し、一気に彼女たちの雰囲気が変わる。骨董品を自慢する父に、どこまでもお節介な母。そして引きこもりの兄。自分は家族とは違うと言い続けている彼女の口調が兄とそっくりだったり、家族との関わりの中で、徐々に彼女の性格の芯の部分が見えてくる。
最初は、彼女と同じように家族の姿が苦手なものとして見えるけど、だんだんと愛おしく思えてくるのが凄いと感じた。同時に彼女たちの存在も。
今作の最後には、砂田と清浦の2人を大好きになっているのが不思議だった。
ブルーアワーは、一日の始まりと終わりの間に一瞬だけ訪れて、空が青色に染まる静寂の時間。どんな状態なのかすぐには想像が出来なかったけど、今作で映像になりそれを見た時、すごく素敵な瞬間だった。見たら思い出す何度も見たことのある景色だった。
