NocturnalDOGGO

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのNocturnalDOGGOのレビュー・感想・評価

4.5
あれだけ辛かった塹壕戦を経験し、休戦になっても喜ぶ気になれなかったことは興味深かった。喪失感がありクビになった気分だと。
戦争において明日は来ないかもしれない、今この瞬間を生きていた彼らには急に明日を生きろと言われてもそれはそれで辛い。
そもそも不安と言うのは、未来があるから不安に感じてしまうんだね。明日生きているか分からなかった彼らにとって、自分ではどうしようもできない明日のことをあれこれ考えなくて済んだんだけど、休戦になって明日のことを自分で考えなくてはならなかった。だから不安になる余地が生まれたんだね。

捕虜になったドイツ人に対して両者は友好的なのだな。戦争に巻き込まれてしまった両者には絆があったのだろう。

全く新しい戦争を経験してきた彼らと、騎馬戦のような従来の戦争をイメージする市民とのギャップがキツい。情報統制もされてたし、仕方のないことなのかもしれないが。

その時代に俺が16歳だったら、間違いなく戦争に行ってただろう。友達が行き、好きな女の子に意気地なしと言わるのが耐えられないだろうから。振り返るほどの人生も歩んでないしね。
そんで俺がもし敵兵に撃たれて、もう死ぬっていうときにもし敵兵がラム酒を飲ませてくれたとしたら、「ありがとう、うまい」って言えるか?殺される相手にありがとうと言えるか?もう心情が想像がつかない。

死ぬのはいいが、手足が無くなったり障害が残るのが嫌だという感覚、バイク運転してるとめちゃわかる。

言葉にできないな。非常に痺れた