彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドの作品情報・感想・評価・動画配信

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド2018年製作の映画)

They Shall Not Grow Old

上映日:2020年01月25日

製作国:

上映時間:99分

4.0

あらすじ

「彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド」に投稿された感想・評価

Fuko

Fukoの感想・評価

4.0
ただ生きていた彼らには、それが正しいのか間違っているのかは大きな問題ではなかった。仲間がいて日々を過ごし、運が悪ければ死ぬんだ。語ってた。
死者が「数」でしか表現されない戦争の前線に、一人一人の「人間」が生きていたという当たり前のことを、思い知らされる映画。「1917 命をかけた伝令」とセットで鑑賞することをお勧めします。
興味あるなぁと思いつつ逃していた作品でした。
始まって少し経つまでは白黒で進んでいきます。
「あれ、カラーにしたんじゃなかったっけ?」と思っていると戦場を感じるようになったところからカラーになります。

インタビューの字幕が入りつつ、当時の映像をカラー化したものが流れる方式。

よくYouTubeとかにある映像だと「白黒でどうなってるのかよく分からないし、現実味がないなぁ」なんて思いますが、色を入れるとその当時あった現実を突きつけられる感がありますね。
カラーになってからは本当にドラマを見てるくらいの気分になりました。

R15ではあるのでもちろん死体は写りますが、頭が半分ないとか、内臓が出てるとかインタビューとしては出てきますが映像にはありません。

戦争が始まった当初は戦場に憧れさえ抱いていた若い人達が実際に戦ってみて現実を知る。
さっきまで喋っていた友人が吹き飛ばされ、さっきまであった場所が跡形もなくなり、前線から戻ってくる人は口々に「あそこは地獄だ」と言う。
本当に戦争はロクなことにならないというのがよく分かります。

そんな戦場ですが、ドラマを撮っているのではなくあくまで現実の一部分を切り取っているので「捕虜になったドイツ人とイギリス人が仲良く喋っている」など映画などによくある「相手が絶対的に悪い物」という脚色は存在しません。

本当にお互いに国が始めた戦争に駆り出された一般人だということが伝わってきます。
あとどんな手段でも紅茶を飲もうとするのは少し微笑ましくもあります笑
イギリス人の紅茶好きは脚色ではないようです笑


始まりは白黒、戦場はカラー、終戦後も白黒で表現されているので「現実にあった戦場にフォーカスしている」のもよく伝わってきます。
第二次大戦版の各国の様子とかも見てみたいですね。

「彼らは生きていた。が、歳をとることはなかった」というのを現実として受け止められるいい作品だと思います。
おいく

おいくの感想・評価

4.5
ドイツと連合軍(主にイギリス)との戦争を描いた作品。
実際のフィルムや、戦争に参加した人々の話を踏まえた作品で、フィクションというよりはほぼノンフィクション作品で、とても新鮮だった。
この作品の中で、戦争の悲惨さや、戦場での現実、戦争に参加する前とあとの心情の変化、そして戦争を知らない人々との心情のギャップなどがリアルに描かれていて、とても感慨深い作品に仕上がっていた。
今ではゲームなどで戦争ということがとても軽々しく捉えられがちで、その本質を気づかない人間がたくさんいる。
私自身戦争は経験したことはないが、それでもあんな無意味な争いは絶対に起こすべきではないと思うし、それらを経験し、後世に残そうとして思い口を開いたくださっている人々のためにも戦争という出来事は繰り返してはならないと思った。
まさ

まさの感想・評価

3.9
かなり衝撃的。
戦争って必要だったん?
戦争映画を見る度に、今の世界で
幸せを感じる。
彼らは生きていた。
青はる

青はるの感想・評価

4.5
2020.4.18
53作目(19)

「1917」のキャストが役作りのため参考にしたと知り鑑賞。

こんなにリアルでショッキングな戦争映画を見たことがない。それもそのはず。この映画は100年前に撮影されたモノクロ映像を3D化しているから。

数千時間に及ぶモノクロ戦争映像から、約100時間の映像資料を選び、1秒13フレームや16フレームとバラバラなスピードで撮影された映像を現在の24フレームに修正し、フィルムの無数の傷をデジタルで修復。300ものショットをカラー化。600時間に及ぶ約200人の退役軍人たちのインタビュー音声素材から、ナレーションとして映像と融合。馬の蹄の音から木々に吹く風など様々なサウンドエフェクトをリアルに再現。

第一次世界大戦を生きていた人々のリアルを教えてくれる映画。

年齢を詐称してまで入隊を志願した青少年の楽しそうな姿、モノクロ映像からカラーに変わる瞬間がすごく印象的だった。

"善意の同情は無意味だ"
"戦場での命は無価値だ"
南

南の感想・評価

4.9
上手く言えないけど、すごく面白かった…。
面白いという表現は適当ではないけど…。

第一次世界大戦でのイギリスとドイツの戦いをイギリス目線で描いた作品。すごいのは当時の白黒映像をカラーリングしていてること。
当時の映像に音声はないから、物語は元兵士達のインタビューを切り取って語られるんだけど、映像はもちろん、このインタビューもかなり見応えがあって、映画館で観ることができてよかった。実体験を元に語られる戦場の緊迫感、どの戦争映画よりもリアルだよね当たり前に。

白黒から、戦いの始まりとともにカラーに変わるシーンはしびれました。すごい。


印象的だったのは、たくさんの10代の若者が年齢を偽って入隊していたことや、アウトドア感覚で戦地に向かったこと、兵士達は文明的な戦いが行われいるはずだと信じていたこと、戦いはシフト制で余暇を楽しんでいたこと、戦場で"生活"していたこと、終盤は戦争をやめたかったこと、終戦が告知されても、終戦の1918年11月11日11時まで大砲の音が止まなかったこと、戦いを終えて街に戻っても市民から称えられることはなかったこと、元兵士達が「戦争なんてするもんじゃない」って言ってくれて、かなしかった。そりゃそうだ。
国というでかい単位ではなく、個人の気持ちや命のやり取りを思い知る。


「1917」を観る前に知っておいた、

・第一次は塹壕戦
・ドイツの機関銃すごい
・イギリスがつくった戦車すごい
(実際にはでかい塹壕掘られてあまり活躍しなかったらしい)

とかその辺のことが繋がって、よかった。
あとは硫黄島でみて本当に恐ろしいと思った火炎放射器がここで登場したのか…と。文明…。毒ガスもこわい。でも戦争を通して多くの技術が発達したのも事実なのかな…。


監督いわく今まで一番個人的な映画ということだけども、
当時の映像のフレーム数を現代の映画のフレーム数に合わせながらカラー処理をするという途方も無い制作過程があったであろうことに、この映画への想いを感じるね…。

原題「彼らは成長しない」
邦題「彼らは生きていた」
現代技術の手の届く遠くない過去でリアルに起こっていたことだと改めて気づかせてくれる作品でした。
家で集中してみるの絶対大変だけどもう一度観たい。できればまた映画館で観たいな。
arch

archの感想・評価

5.0
彼らが生きていた戦場
この映画で終始一貫しているは"戦場で何が起きていたのかを限りなく、リアルに描こうとしている”ということ。そのために当時の戦場で若者たちが何を感じ、何を考え、どう生きていたのかを明瞭に具体的に描いています。例えば彼らがどこで眠り、何を食べていたかだったり、またトイレをどうしていたか等をしっかり描いているわけです。

 それらを描くにあたって、今作が行ったことは当時の映像を現代の技術用いて再構築することです。

第一次世界大戦は開戦された1914年。当時の技術は現在に比べてまだ稚拙で、戦争の記録映像は全てモノクロ映像。記録状態も悪く、音声を録音する技術もないため、第一次世界大戦を題材にしたものは当時を再現したものとは到底言えなかったわけです。しかし本作は『ロードオブザリング』のピーター・ジャクソン主導の元、約100時間の当時の映像資料を修復し、カラーリング。また映像をよりリアルにするため、3D技術を用いて違和感を取り除き、『ロードオブザリング』シリーズの音響でアカデミー賞を受賞したメンバーが手掛けるリアルな戦場音響を導入したわけです。(このあたりパンフレットにかなり詳しく書いているのでおススメ)

この「当時の映像を現代の技術用いて再構築する」という行為は第一次世界大戦を遠い過去の別世界の出来事ではなく、我々と同じ人間が実際に体験した出来事であるのだと観客に訴えるものになっています。



そんな当時の戦場を完全再現した映像なわけですが、中でも目を惹かれるのは彼らの「笑顔」だと思います。それは戦場は=無機質というイメージのせいで見逃しがちな人間性の象徴だといえます。確かに戦場は非人間的行為であることは間違いありません。長い時間と戦場という場所が彼らを狂わせ、最終的には非人間的に変貌させたのは間違いありません。

しかしちょっと前までサッカーをしたり、友人とジョークで笑い合ったりしていた若者たちが戦場で全てを忘れることは出来たでしょうか?人間性をそんな簡単に捨てられたのでしょうか?

これまで語られなかった非人間的戦場での人の営み。それを決して戦争を肯定するものとして描くのではなく、確かにそこにあった事実として描写する。そこにこそ、「戦争をリアルに描く」という行為の真髄があると私は思います。

 

第一次世界大戦を限りなくそのまま現実に呼び出した作品、新たな映画体験、映画の力を見せつけられた作品、ピータージャクソン監督ベストの傑作、お見事です。
Oscar

Oscarの感想・評価

3.9
1917で命をかけた伝令が伝わらずベネディクト・カンバーバッチが突撃の号令をかけた世界線の映画。

いえ、間違えてしまいましたね。
あちらが幻想。
本来はこちらが現実でした。


こちらが…現実なのか…


脅威の再現度。
圧倒的臨場感。
まさに地上の地獄。
最初から最後まで次々と飛び出す驚愕の第一次世界大戦の惨状はあまりに惨すぎて、途中から自然と脳が映画の中のような、どこかフィクションのように捉えてしまったのは自分でも情けないような悲しくなるような気分になった。
それくらい、酷い。
およそ人が人として生を全うしたとはいえない死の連続。
ろくな作戦もなく、勝機もなく、最早敵も味方も何のために戦っているのかもわからないまま死に向かって突撃していく様は…
途中から完全に感覚が麻痺していたせいか実感が全く沸かなかった。

だからこそラストの誰かの言葉に「同情なんかされたくない」という文言には涙が出た。
同情しなきゃと思った瞬間にもうその人は自分のことを思ってくれていない。
同じ気持ちになんかこれっぽっちもなっていない。
母親からは戦争なんてなかったかのように振る舞われ。
誰からも戦争の話を聞かれず。
仕事を失い。
かつて隣で一緒にサッカーしていた友達をも目の前で亡くし。
そんな全てを失った自分の気持ちなんて誰にもわかるはずがない。

久しぶりに訪ねた行きつけの散髪屋の親父の一言。
「よう、今までどこに行っていたんだ」

こんな乾いた笑い声聞いたことなかったよ…

孤独だなぁ。
戦争って孤独なんだな。



映像のカラー化があまりにも鮮明でオシッコちびりましたね正直。
変わる瞬間で椅子を座り直しましたよ思わず。
これぞ、映像の世紀。
永遠に残すべき、これぞ記録映画の真骨頂。
全く、いい仕事しますね。



てなわけでコロッちゃんの影響での2ヶ月ぶりの映画館だったわけですけども。
007の予告編で泣くよね。
TENETの予告編で泣くよね。

やっぱりえいがってたのし〜ね〜♪♪
これがリアルな戦場、兵士たちの言葉だと思うとすごく胸が苦しくなった。
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