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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのyのレビュー・感想・評価

4.1
WW1当時の映像を鬼レストア、全部音付け直し、という凄まじくムチャな企画、ピージャクさすがの粘りで持っていってる。

というかもはや我々が目にしているこの自然な画面、鬼アプコンされた画素とストレッチで生成されたフレームのほうがオリジナルの情報量より多いだろうけど、そんなことはもちろん承知の上で作っているに決まっていて、これは彼らのドキュメンタリーである以上に、観る側の想像力を増幅する装置としての映像と音響なんすよね。

それでいて、ちゃんと、"同情しようと思うこと自体が何にもわかってない"というインタビュー音声を終盤に持ってきたり、(素材がないからってのもあるだろうけど)いちばんの地獄絵図は見せずに我々がみたことのある戦場の絵+厚みのある語りでやりきったり、距離感の取り方も品がある。

ここに映ってる人、喋ってる人、誰一人としてもう生きてないんだもんね。それが誠実さというものなんだと思う。

いい映画だったけど、朝から観る映画ではなかったな。
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