クラーク

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールドのクラークのレビュー・感想・評価

3.7
興味あるなぁと思いつつ逃していた作品でした。
始まって少し経つまでは白黒で進んでいきます。
「あれ、カラーにしたんじゃなかったっけ?」と思っていると戦場を感じるようになったところからカラーになります。

インタビューの字幕が入りつつ、当時の映像をカラー化したものが流れる方式。

よくYouTubeとかにある映像だと「白黒でどうなってるのかよく分からないし、現実味がないなぁ」なんて思いますが、色を入れるとその当時あった現実を突きつけられる感がありますね。
カラーになってからは本当にドラマを見てるくらいの気分になりました。

R15ではあるのでもちろん死体は写りますが、頭が半分ないとか、内臓が出てるとかインタビューとしては出てきますが映像にはありません。

戦争が始まった当初は戦場に憧れさえ抱いていた若い人達が実際に戦ってみて現実を知る。
さっきまで喋っていた友人が吹き飛ばされ、さっきまであった場所が跡形もなくなり、前線から戻ってくる人は口々に「あそこは地獄だ」と言う。
本当に戦争はロクなことにならないというのがよく分かります。

そんな戦場ですが、ドラマを撮っているのではなくあくまで現実の一部分を切り取っているので「捕虜になったドイツ人とイギリス人が仲良く喋っている」など映画などによくある「相手が絶対的に悪い物」という脚色は存在しません。

本当にお互いに国が始めた戦争に駆り出された一般人だということが伝わってきます。
あとどんな手段でも紅茶を飲もうとするのは少し微笑ましくもあります笑
イギリス人の紅茶好きは脚色ではないようです笑


始まりは白黒、戦場はカラー、終戦後も白黒で表現されているので「現実にあった戦場にフォーカスしている」のもよく伝わってきます。
第二次大戦版の各国の様子とかも見てみたいですね。

「彼らは生きていた。が、歳をとることはなかった」というのを現実として受け止められるいい作品だと思います。
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