おぎ

Fukushima 50のおぎのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.4
東日本大震災も、原発事故も、ニュースで見たことがある。
卒業式の予行練習中、日の丸が揺れだしたのを覚えている。富山の片田舎で感じた揺れは、目眩なのか地震なのか分からないぐらい小さなものだった。
日本にいれば地震は多い、誰もが経験している、今度のもそうだ、そう疑わなかったのに。その日はたまたま日直で職員室に入ると、先生達がテレビを大音量に着けてみていた。そこで流れる映像は映画のワンシーンのような、現実離れした、凄惨すぎるものだった。
小学生の私には、その恐ろしさがよく分からなかった。ただ、大人達のなんとも言えない張りつめた空気だけは何となく覚えている。
この映画を見て、原発事故を防いだことが偶然だということを知った。
神が味方してくれた。
そんなことはあるはずが無い。
そんな爆弾を日本は今も持っている。
なんだろう、私はあの時幼かったから何も知らなかったのだろうか。あの映像を見た大人達だって、原発がこんなにも恐ろしいものだと理解していなかったと思う。
無知は怖い。
でも、色んなものに淘汰されて、流れるように生きてしまう。生きてしまっている。
社会のシステムも、政治も、お金の流れも全部誰かに任せておけば守ってくれると思っている。
いざという時に、私はフクシマ50と呼ばれた人のように立ち向かう事ができるのか、行動することが出来るのか。
私は無知でいることの怖さをこの映画で知った。
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