傑作であるチェルノブイリを見た直後にこの作品を見ることになり、少し不安を感じたが、緊迫感に満ちたドラマを堪能した。
もっとも両作品のテイストは真逆と言えるほど異なる。チェルノブイリは爆発が起きてしまってから、その後処理に追われる様を語り、放射能による後遺症も赤裸々に描き、政権による隠蔽体質の恐ろしさなど、全体の雰囲気はひたすらダーク。
こちらは現場に踏み止まり、事故処理を続け、最悪の結果を避けるまでの奮闘をスリリングに熱く描き、ディザスターアクションといった雰囲気。エンタメとしては素晴らしいが、この作品だけ見たら、後の放射能汚染などなく、全てが後腐れなく解決したように見えるのはご愛嬌。