Mari

Fukushima 50のMariのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.0
圧力抑制プールの水によってある程度放射性物質を取り除いてから格納容器の外へ気体を放出する「ベント」等、当時福島原発でメルトダウンを防ぐために何が行われていたか初心者でも分かるように話が展開されており、勉強になった。
高濃度の被爆を覚悟してバルブを開けに行く作業は、足跡が残り、防護服を捨て去りたくなるぐらい高温なのかとハラハラ。
東電本部や首相の動きはイライラ。

緊急時は現場の指揮を尊重すべきだなとしかと思わされる内容だった。

住民避難指示等が間に合ったのは安心だが、故郷を汚染されてしまい、ふるさとに帰れなくなった人々を思うといたたまれず。

原子力はコントロールが難しく、震災後はNRAの審査もなかなか通らない。
原子力メーカーもどんどん撤退していき停滞産業に。
一方脱炭素が求められ、脱炭素を推進しない企業には銀行も投資家もお金を出さない。原子力は貴重なCO2フリー電源。
半導体工場、EVで電力需要が高まるのか、人口減少で日本全体がシュリンクしていくのか。

足元情勢ではどの電源にお金を張ればいいのか何とも言えないが、こんな事故リスクがあって、原子力は本当に推進すべきなのか、原子力がないと電力足りないなら計画停電でも何でもすればいいじゃないか、と思わされてしまいました。
Mari

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