よっひ

Fukushima 50のよっひのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.4
試写にて。皆さま、これはぜひ観てください。
自身の故郷だからという理由も勿論ありますが、
日本人であれば知るべき、刻み込むべき出来事がここにはありました。

ありきたりな言葉ですが「風化させてはいけない」。
首相の描き方や原作者の思想など、様々な意見が出るのは勿論だと思います。
ただ、考えること、覚えていることをやめてはいけない。
震災や原発について考えるきっかけを与えてくれている、という点でも本作鑑賞の意義は十分にあると思います。

自分語りになりますが、発生当時は中学の卒業式を終えた直後。
Fukushimaとは言え内陸部だったので、テレビに映る津波や原発の映像は、同じ県、同じ東北であるにもかかわらず、どこか別世界のような。

そしてあの日、あの時、数十キロ先でこんなにも闘っていた人達がいたとは。
知っているつもりで全然分かっていなかったのだと、本作を鑑賞して恥ずかしくもなりました。

こう感想を書いていると、どこか説教臭い作品のように思えるかもしれません。
しかしながら、(言葉は適切ではないかもしれませんが)エンタメ作品としても観る価値は十分にあります。

故郷や家族への想い、極限の状況での葛藤など。
たくさんの登場人物の感情が、目まぐるしくこちらへ向かってくる。
俳優さんたちが素晴らしくって。
自分の大好きな名バイプレイヤーの方々が、少しでもFukushimaのことを考えて、本作を届けてくれたのかと思うと胸がいっぱいです。
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