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Fukushima 50のkissed3のレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
4.0
若松監督の作品は観たことがなかったけど割とドキュメンタリータッチのものが多い印象。
マスクをして東北なまりっぽい言葉をあんま滑舌よくないおじさんたちがしゃべるからとにかくセリフが聞きづらい。
専門用語も多く知らない単語を逼迫した感じで叫ぶので前半30分は役者が何言ってるのかほぼわからなかった。
でも緊急自体で大変なことになってるのはわかるし、そこで一言一句聞き取る必要性は感じなかったのでそこに不満は特になし。
字幕つけろよ!とも思わなかった。

有名俳優を湯水のように使ってるけど斎藤工以外は無駄遣い感がなくて良かった。

政府や東電の無能ぶりを描いている映画と言うよりは「誰もがみんな頑張っていた」という感じに作っていてわかりやすい悪役を立てていないのも好感が持てる。

福島第一原発の現場が東電本社や政府と対立しまくるのかと思いきや、確かに対立はするんだけどそこに注力するのではなく、あくまでメルトダウンを回避するため現場がどう動いたかというのが本筋。

佐藤浩市、渡辺謙の現場チームと篠井英介、佐野史郎の東京組がそれぞれパニック起こしながらあーだこーだするの見てると見てるこっちも心臓バクバクした。
特に総理大臣役の佐野史郎の無能なわけじゃないんだけどでも…というなんとも言えない雰囲気があの頃の某総理大臣にイメージがかぶる。

中盤のまるで「アルマゲドン」で誰が惑星に残るかでオレがオレが!みたいになる展開が熱くて好きだった。

最後、桜の木と佐藤浩市はちょっと情緒的過ぎていらなかったかもしれない。
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