もえ

ホテル・ムンバイのもえのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.0
終盤まで絶句。
流血ありの暴力的な何かのゲームのように人が…。

非人道的、理不尽、無常、残酷、不条理。
言葉をいくら並べたって、凄惨さは観てもらう他伝えようがない。

そして世界からテロが無くなる事は、雲を掴む事と同じのように思う。

世の中を良くしよう、危険は未然に防ごう、
なんて言葉では容易だ。

起きた時、どうするか。自分が、渦中に居たなら…。否応なしに想像する。

人を押しのけて逃げた人を非難できるか?
お客への避難誘導を拒否した従業員は臆病か?

そんな事はない。
想像を出ないけど、恐怖を前に生存本能が働くのは不思議じゃない。

私がその家族なら、どうあっても生きてほしいと思う。自分の元に帰ってきて欲しい。

本軸からズレるけど、
未だ発明の出所が不明の、銃。
力のない者が、強者からその身を守る為にできたものだったはず。

打ち上げロケットだって、人類が宇宙に夢見て開発されたもの。

しかし、ロケット開発支援を口実に、その知識を武器に使われ、野望のために沢山の人が戦争で殺された。

当初の思惑とは別に、希望を与えるものが、真反対のものになってしまっている科学が他にも数えきれないほどある。

無抵抗の人間にどうして、としか言いようがない。

何故、奪う事でしか得られないという事になるのか。

信心深い事は別にいい。
無宗教の私の主張はなんの説得力もないかもしれないけど…
ささやかな願いの積み重ねなどで救われている人も確かにいるのだから。

でも誰かに考えを委ね、自分で考える事をやめてしまうのは、いずれ自分と周りの人生も脅かす。

テロが起きたらどうするか、起きない為にどうしたらいいのか、この選択が自分や人にどんな影響を与えるか。

考える事をやめてしまったら、人間である意味がない。
私達は考える事ができるからここまで来たのだから、答えが出なくても続けていく必要がある。

こういった実際にあった事件は重くのしかかるけど、知らないでいるよりずっといい。私の場合はね。
もえ

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