のんchan

ホテル・ムンバイののんchanのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.6
公開時に観たいと思いながら行けず終いで、遅ればせながらようやく鑑賞‼️
評判通りに素晴らしい出来だった🌟

2008年11月26日、インド西海岸の大都市ムンバイで起きた同時多発テロ事件を扱った力作✊
パキスタンから潜入した10人の若者たち(イスラム系過激派)が、2軒の大型ホテル、世界遺産の鉄道駅などで無差別の銃撃、手榴弾攻撃を実行。170人以上の死者を出した大事件である。

映画は攻撃されたうちの一つ、1903年に開業した超高級ホテル、タージマハル・パレス・ホテルでの凶行を中心に描いている。圧倒的な臨場感で再現されていて恐怖感がビンビンと伝わってきて息をつく間がない😱

ムンバイに特殊部隊はなく、ニューデリーから応援部隊が出ても10時間程も掛かってしまう。それまで地元警察の数人で対処しなくてはならないショボさ加減が切ない。この事件までは平和な場所だったという証だけど。

主人公は『LION/ライオン~25年目のただいま~』のデヴ・パテル演じるホテルの給仕係のアルジュン。彼は上司の料理長(『ラスト、コーション』等のアヌパム・カー)と共にホテルの客を救うため、誇り高きホテルマンとして命をかけてテロリストたちから守ろうとする必死の姿が心を打つ💫

宿泊客は欧米の金持ちが多く『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマーが建築家を演じている。まだ乳飲児の息子とベビーシッターを伴って夫婦旅行に来たところにテロリストと出くわす。
また、ジェイソン・アイザックス演じる強欲で態度の大きいロシア人実業家などがいる。


ホテル・ムンバイは、事件の3ヶ月後にはレストランをオープンさせている。
一流の場所、一流の従業員、人の命はこのようなプロ意識が集結した安心感のある人たちによって、大切に守られているとしっかり伝わった。

未曾有の悲劇を映画にすることは、必要以上の覚悟とセンシティヴな判断が要求される。そうした高いハードルを乗り越えて完成されていて生半可な作品になっていない。この作品はその事実をしっかりと証明してくれていた👏
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