Ryan

ホテル・ムンバイのRyanのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.1
タージマハル・ホテル


ストーリー
2008年、インドで同時多発テロが発生。武装テロリスト集団がムンバイの5つ星ホテルを占拠し、無差別の殺戮を始める。500人以上が取り残される中、誇り高きホテルマンたちは宿泊客を守るため、必死の戦いに挑んでいく。


主演 デヴ・パテル
監督 アンソニー・マラス


2008年に起きたムンバイ同時多発テロの際に起きた、タージマハル・ホテルでの実話にインスパイアされている。

凄い。
これを映画的に捉えるならば、脱出形映画の最高峰だろう。
しかし、これをリアルな映画として見るならば観客を騙す商業映画なのかもしれない。

あくまで実際に起きた事件を基に製作されているが、当初批評家の意見が割れた理由は"これをどこまで本当にするか"である。
映画としてみたら間違いなく傑作で、観客も"お客様"としてその場にいる臨場感に襲われる。これ以上ないほど苦しくなるのは間違いない。
しかし、実際とは違う点も多々あるとの事、でそれをどこまで容認できるかが我々観客の鍵になってくるのかもしれない。

個人的には確かに悲惨な事件ではあるが、これを機に世界中に知らしめる良い機会となったのは間違いない。

実際今作は非常にクオリティが高い。
インドの社会情勢と信仰に絡めながら物語が進行していくのだが「結局はホテルにいる人たちは金持ちでしょ?」が前提で動く。
まるでホテルの中を世界に例えたようにあちこちで頻発する暴力に抗いながら、身を挺して人々を守る人達に思わず感情移入なしに、涙なしには見れない。
そんじゃそこらの生命讃歌を謳う映画よりよほど良い。

主演のデヴパテルが本当に良い役者になった。彼の演技のおかげで映画とシンクロする機会を貰えたと思う。
それに他のキャストもとても見事で、ナザニンやアヌパムカー、ジェイソンアイザックスに"性にだらしないと知れ渡った"アーミーハマーも良かった。

オススメできるくらい個人的に面白かった。
Ryan

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