ぷん

ホテル・ムンバイのぷんのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.3
インドの国際的に有名であり五つ星ホテルのホテルムンバイで起こった実際の大規模テロ事件

他の方々もレビューしている通り、強烈な恐怖体験であり、人生の中でも味わいたくない体感が生々しく表現される。

インドに学生の頃行ったことがあったが、あの淀んでいる空気感や雑多な感じ、そしてインドの方々の素晴らしい人間性に感動させられた。この映画でも従業員が命を張ってお客さんを守っている姿を見ると(もちろん命を張らなくても誰かを守るという意思があったりだとか)あの時にして頂いたサービスや感謝の気持ちの記憶が蘇ってくる。
テロリスト側も何者かに指示され、何か絶大な思想の持ち主だったり権力者だったりするのか、ところどころに見える宗教間の話や権力のない若者達が銃を持ち、従っている姿を見ると何とも言えない気持ちになる、彼らが愛している家族に電話をかけるシーンは胸が痛くなった。

銃の音がかなりリアルで、死を感じさせる爆発音が映画館を包み込む。自分がその外側にいるショットではなく、あくまでホテルにいる被害者側の視点というのが生と死を感じさせ、一発の銃発音に死の匂いを感じさせる。

映画の見せ方として、観客が出来るだけこの事件に親身になれるような構図がこの映画を作る意味に直結させていると思う。ほんとに素晴らしいし、出来る限りたくさんのお客さんと大きなスクリーンと素晴らしい音響で聴くことに意味がある映画だと思うので、映画館で見ることをお勧めする。
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