Rita

オオカミの家のRitaのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.6
コロニア・ディグニダの宣伝映像。

チリ南部にあるドイツ人集落から脱走した少女。2匹の子ブタが住む森の中の一軒家に逃げ込んだ彼女を、悪夢のような体験が待ち受ける。

カルト宗教団体が子供のために製作したアニメーションという作品の設定として描かれているのですが、構造が芸術的ですよね。斬新なアイデアそしてフェイクが素晴らしい。

コロニア・ディグニダの実態を知った上で見るとカルト宗教色の強いお話だった。コロニアから逃げてきたマリアが加害者の立場に回るというのは少し皮肉を感じる。宗教団体の救済の手を差し伸べるためにそういう設定にしているのだと思うけど、加害者により被害者もまた加害者になる。加害者を生み続ける連鎖のようなことも考えてしまう。

一度目の観賞はラストの5分しか見ていなかったので今回は全編通して見て来ました。ついでに"コロニア・ディグニダ"について知っておいたほうがより物語が分かるとレビューにあったのでサイトで調べて軽い予習をしました。

この作品を宣伝映像として見るとオオカミがコロニーの精神的指導者であるパウル・シェーファーに当てはめられる。予告編でも強烈だったオオカミがマ〜リ〜ア〜と呼ぶ声が頭にこびりついてる。
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