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オオカミの家のmihoのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.0
チリ映画って初めて観るなぁと思いながらふつうのアニメかと思って一切の情報を仕入れずに観てみたら、映像がヤバすぎた。
部屋の壁かと思っていたらそれが顔になったり、分解したかと思えばまた統合して何かが作られたり。
映画というより、なんだか前衛的な美術展を観てきたような気分…。正直、かなり眠くなりもする。

あと、こういうのがストップモーションアニメと呼ばれていることを恥ずかしながら初めて知りました…。子供の頃によく見ていた「ピングー」とか「ひつじのショーン」のようなクレイアニメも、それに当てはまるのね。

ストーリーと絵面と音声の悪夢っぷりも良い。サイケデリックに絶望を与えてくれる。

冒頭に出てくる説明(この映像は〜のためのものです、誤解されがちだけど素晴らしい村なんですよ〜的なの)、なんかカルト宗教じみていて気持ち悪い説明だなと思ったけど、それもそのはずで、観ていくうちにその意味がわかった。

あとでググってみたら、

チリのピノチェト軍事政権下に実在した宗教コミューン“コロニア・ディグニダ”にインスパイアされた物語。
「オオカミの家」のインスピレーション源となるコロニア・ディグニダは、1961年にチリ南部で設立された。創設者であるパウル・シェーファーはヒトラーを崇拝していた小児性愛者で、西ドイツを追われてチリへ。そしてピノチェト政権と結託する。厳格に管理・支配がなされた施設内では拷問・虐待・殺人が行われた。コロニア・ディグニダで写真集や映画が作られていたことを受け、「オオカミの家」は“同コミューンの宣伝物“というコンセプトで制作されている。

とのこと…。
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