おむすび

影裏のおむすびのレビュー・感想・評価

影裏(2020年製作の映画)
3.5
舞台は岩手。震災前後も挟みます。とにかく雄大な自然が美しい。

愛する人を突然意味もわからず無くす人の苦しみや悲しみ、それでも生きていくことでその人とほんの少しでもまためぐりめぐって触れ合える感動。
人を見る時は光の部分じゃなく、影の最も濃いところをみるんだ。というセリフ。
光に魅せられて誰かを知ろうとして、深く知ろうとすると触れてしまうその人の影。

綾野剛ってやっぱりすごいなー。顔だけで気持ちが伝わってきた。急にムラムラときてるときとか、緊張感がめちゃくちゃ伝わってきたもんなー。

あとは、登場時間こそ少なかったけど、元恋人役の中村倫也くんも最高だった。元カレへの期待感、応援する気持ち、切ない気持ち、少しの怒り、緊張、などもろもろがぜんぶ目線とかでぜんぶ溢れて、最高だった。綾野君は撮影時、倫也は震えてて、そんな倫也に怒りに任せて淫らな気持ちで会いに行って(そういう役)、ごめんねーって謝ったと言っていた。

龍平はミステリアスな詐欺師っぽい役柄似合うな。そろそろ他の感じもみてみたい。

みんなそれぞれ、相手や気分や状況で光や影をみせたり隠したりしながら生きているんだ。それでいいんだ。それでいいし、それだからこそ一瞬の光が溶け合った瞬間の美しさは、永遠なんだなあ。

ラストの綾野剛の表情は圧巻でした。
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