すな

クローブヒッチ・キラーのすなのネタバレレビュー・内容・結末

クローブヒッチ・キラー(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

ボーイスカウトの隊長で、威厳があり、かつフランクな、家族を愛する父が、シリアルキラーかもしれない、と気がつく息子。徐々に疑惑が確信に迫っていくのがとても怖くていい。

家族の留守に秘密の趣味に没頭する父、おそらく最初は本当に妄想だけだったのだろうけど、段々とそれが現実の選択肢になってしまったんだろうなと、獲物を物色するシーンから感じられた。派手さのない展開が、却ってリアルな恐怖を感じさせる。
平和な日常がめくれていく、崩壊していく状況から目を逸らそうとしながらも出来ない、息子タイラーの苦悩がひしひしと伝わってきた。
最後まで信じたくないと思いながら、答え合わせをしなければならないのが辛い、辛すぎる。
結末はすっきりしないが、ああなるのもわかる気がする。十分過ぎるほど苦しんだ上、更に自ら日常を壊す選択肢をなかなか取れるものではない。

ただ父から首を絞められるシーンの後ろで、監視カメラのようなものが天井にちらちら見えていたのと、警察がタイラーに話を聞きたい、という場面もあったので、隠そうとしても真相は程なく暴かれることを示唆した結末なのかな、と思った。
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