小悪党しか泊まってない宿で、まさにグランドホテル形式の。自分のなかでは「お国と五平」のイメージの印象が強い大谷友右衛門はこの作品でもライトにいかがわしくて素晴らしい。役名は"おにゃんこ文次"ってしか聞こえなかったけど"おりゃんこ文次"だそう。なんだろおりゃんこって。道行モノの芝居をみて憧れて番頭連れて駆け落ちの真似事してるバカ娘の八千草薫が歌う"つーまらーないつーまらーない♫"連呼の歌が馬鹿馬鹿しくて良い。また聴きたい。娘ふたりを女郎にやってしまうほど博奕好きの杉狂児や、敵討ちで逃げ回る上田吉二郎、おりゃんこの相棒は多々良純。変装したりなりすましたり、宿のなか全員でドタバタ走りまくって楽しい。
