ボロロボ

ブラインドスポッティングのボロロボのレビュー・感想・評価

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)
3.9
アメリカ合衆国カリフォルニア州オークランドを舞台とした、保護観察解除まであと3日となった黒人:コリンと、彼の幼馴染の白人:マイルズとの日常系友情物語。

シャキシャキと小気味よい演出が冴え渡る。

地元民と移住者
ブルーカラーとホワイトカラー
カラードと白人
治安とイキり
拳銃所持と不所持
馴れ合いと叱咤



BLMに通じるところは明らかで、所々スパイク・リー監督作品を彷彿とさせる強目の演出もあるが、トゲトゲしくならないよううまくバランスをとっているように思える。

バランス担当はあちこちに。
マイルズの妻と娘。
コリンの母ちゃんと再婚相手。
元カノのヴァル。

ヴァルは大事な存在。彼女はちゃんと見ている。マブダチから見たら邪魔くさいのかもしれないけれど。

マジメな人にも、そうじゃない人にも、家族はいるのだ。
そして一方的ではない。あの警官でさえも。

序盤のあの事件は、ラストへの大切な種まき。



コリンによるリリックは、普段は無邪気なアメ玉であり、そして時には決して命を奪うことのない激しい銃弾にも変わる。



人間の認知能力は、同時に2つのものを認識することはできない。盲点=ブラインドスポッティングは必ず存在する。
だからオープニングの画面は2分割。画面2分割は劇中にも出てくる。



ウエスト・オークランドは、治安があまりよろしくない地区。

大好きな映画監督が、マイルズと美容室の客たちに揶揄されるのはちょっとフクザツᴡ オモシロかったけどねᴡ

マイルズの妻と娘がマイルズへプレゼントしたTシャツにプリントされていた言葉。

地元スポーツチームへの深い愛情。アスレチックス、レイダース、ウォリアーズ。
レイダースQBデレク・カーには厳しい意見(分かるᴡ)。チームはラスベガスへ移転したけど、応援は続けるんだってさ、ステキ。

社会問題を浮き彫りにしながらも決して湿っぽくならずに明るく前を向いていける良い作品でした。オススメ。
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