甲子園の魔王

クロノス・ジョウンターの伝説の甲子園の魔王のネタバレレビュー・内容・結末

1.2

このレビューはネタバレを含みます

下野、会心の小走りをとくと御覧じろ!

妻がかつて熱心に推していた声優、下野紘が実写で主演してる映画がある事を知りネタにしようと思って観たのだが、想像以上にあかんかった。
※以下酷評が続きますが主演の下野さん含め、特定の人物を過度に貶めるような意図はありません。

冒頭から館長の独特な演技に面食らう。ずんだもんみたいな音声読み上げソフトがやるのと大差ないぞ。

音響面が壊滅的。登場人物が複数人いる場面で、主だって喋ってる2、3人以外の声が部屋に反響しているしそれぞれボリュームも違うし環境音拾いまくりだからとにかく聞きとりにくい。仲間うちで小声で喋ってる声でも反響してるからめっちゃ迷惑なヤツらに見える。下野は動くたびに衣擦れの音まで拾う。場面によってはホワイトノイズがのっている。
魔王魂から拾ってきたようなBGM。レパートリーも少なく、同じBGMが何度も続けてかかるのも安っぽさを助長している。
クロノスジョウンター(物質を過去に飛ばすタイムマシンみたいなもん)の起動音もいつの時代のSF映画やねん。

ちっさいクロノスジョウンターに入っていく下野おもしろい。イオンとかに置いてあるマッサージチェアより小さい。

原作はクロノスジョウンターにまつわる短編小説群らしくて本作がどれくらい原作に沿った内容なのかは知らないが、映画の脚本としてはかなり厳しい。
演技のレベルがあまり高くないのは目を瞑るとしても、表現やセリフの言い回しが映画向けにチューニングされていないように感じた。劇っぽいって言ったらいいんかな。舞台とかならまだ違和感なく受け入れられたかもしれないが…。

タイムリープして救うには関係値がうしぃ〜。通勤路にある花屋の女子大生店員に声をかける機会をうかがう40代(下野代入)会社員なかなかだろ。下野もそんなに柔和でもないし表情固いから挙動不審にうつる。

「あのあたりは…焼け野原だぜ!」とか言う割に事故現場は徹底して映さない(あとこのエキストラのおじいちゃん出すぎ)。どれくらいの規模か分からないから悲惨さが伝わらない。たいして付き合いないのにそんな泣く?

オフィスから住島重工の倉庫に移されたクロノスジョウンターを起動しに向かうパートでの、
警備員「あれ〜どこだったかな〜」
下野「あ、あの早くしてくれません?(こんなところ見つかったらまずいぞ…!)」
みたいな微妙に緊張感誘う演出いる?結構尺使ってそんな演出しといて最後まで何も起こらない事のは斬新。

唯一褒められる点として、遡行する時間とその二乗分の未来に飛ばされるって設定は好き。
でも彼女、再会できる時間軸にタイミング合わせて飛ぶの難しかったやろなあ。まあこいつが「一人じゃ逃げられない!」とかゴネんかったら4000年も先の未来に飛ぶことなかったんだけど。

頻繁に時間跳躍するわりに、別に時代の変化を見せたりもしないのでずっと同じ展開の繰り返しに感じるし、ビジュアル的な面白さも薄い。

グリーンバックに夜空を映しただけの西暦6000年の世界。戦争で若人が命を賭して守った未来がこれか…(;∀;) ポロポロ
まあ予算ないんだしあれで誤魔化すしかないわな。


ちなみに下野推しのはずの妻はこの映画を「下野が飲み会で取ってきた仕事」と評していた。推しに対してそんな言い草があるか。
甲子園の魔王

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