がちゃん

サロン・キティ/ナチ女秘密警察 SEX親衛隊のがちゃんのレビュー・感想・評価

3.1
この作品日本公開時には、
『ナチ女秘密警察SEX親衛隊』というタイトルでポルノとして公開されました。
当時愛読していた『スクリーン』などの雑誌でもポルノ映画扱いでした。

ただ、ポルノとして公開されたことの抗議の声があがり、
多少の修正を加えて本タイトルでの一般公開とあいなりました。

で、私の視線で観るとどうか。
結論は、ポルノではないですね。

第2次世界大戦勃発の前。
ドイツがポーランドに侵攻する前あたり。

ナチスはサロン・キティという娼館を借り上げ、ドイツ中の国家社会主義に心酔している若く性的に魅力的な女性を20人集めてくる。

そこで娼婦として働かせ、兵士や将校の相手をさせ、
酒と色で本音を吐くようになった兵士たちの言動を娼婦たちに記録させ、
少しでも体制批判したようなものがあると、たとえ将校でも処刑するような秘密施設となっていた。

娼館のマダムキティは、この娼館に誇りを持っており、
そんな秘密情報収集活動に使われているとは全く知らなかった。

20人の娼婦たちも、
兵士たちとの会話が録音されていたとは知らなかったために、
悲劇が訪れ・・・

編集がへたくそで、
時々訳が分からなくなるところがあり、
映画的にうまいとは言えないが、
ナチズムの台頭、国家社会主義への痛烈な批判は伝わってくる。

主演がヘルムート・バーガーということもあるかもしれないが、
ヴィスコンティの『地獄に堕ちた勇者ども』の影響が色濃いような気がする。

エロ描写もいま観るとどうってことないし、
必然性のある描写だから認めていい。

ナチズム批判にもいろいろありますが、
こういう描き方もありだと思います。

尚、娼館サロン・キティは実在したとのこと。
がちゃん

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