peplum

ウィーアーリトルゾンビーズのpeplumのレビュー・感想・評価

4.2
正直ナメていた。キラキラした広告屋のあんちゃんの作るチープなMVだろ?くらいにナメていた。

だけどそのチープさ、8bitの音楽によく現れている軽やかさがこの映画の持ち味で、人生なんてそんなに重く苦しくしんどく考えなくてよくね?と言われてるみたいで内心(うるせぇよ…!)と思わないでもないが、メガネで根暗でクラスで浮いてた小学生だった人間(つまり僕)にもたらされたある種の救済であったり福音だったような気がする。
軽いようでいて実に計算され尽くされた撮影・音響・照明の数々は広告の世界で培われたものなのかなと思った。

森直人さんとの対談でも名前が出ていたけど、広告出身、音楽フリーク、とにかくオシャレなどなど僕が愛してやまない大林宣彦監督作品ver.2019ぽくて悔しいくらいに面白かった。
“映画という「嘘」の一番の魅力は「美しすぎるくらい美しい」ということですからね。”
という大林監督の言葉を思い出す。

ゲームを発想の元にした映画だからなのかもしれないがドローンで天頂構図が頻発するのも日本映画では珍しいヒッチコックマナーだなと思った。
SNSとか短文の会話に慣れた感覚が映画でも再現されていて、新しいなと思う。

『シングストリート』とか好きな人はハマると思う。
どうみても鹿〇淳な佐野史郎さんがウケる。
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