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人間失格 太宰治と3人の女たちのnidoneのレビュー・感想・評価

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題材が太宰治なので覚悟はしていたが色恋、色恋、色恋の連続であった。私生活のだらしない様子等は、太宰の退廃的といった一般的なイメージと重なり作品にリアリティーを感じさせる要因となっている。また、太宰の天才肌なところやキザな部分が上手く表現されていて小栗旬はハマリ役であったと思う。役者に言及すると、太田静子役の沢尻エリカは、金持ちの娘で、社会と隔絶され世間知らずで、芸術に傾倒している自分という存在に心酔している、といった細かいところまで表現されていると感じた。また、蜷川実花作品なのでラストの太宰治が家族との離別を犠牲に人間失格を書き上げたシーンは色彩豊かに描かれていて圧巻であった。
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