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人間失格 太宰治と3人の女たちのKのレビュー・感想・評価

3.1
相変わらず色の使い方が独特。暗い色調に原色が映える。ただ同時に気付くのは、色の美しさと映像の美しさは同じではないということ。自分はもちろん本物の太宰治氏に会ったことはない。知り得る情報を統合する限り、この姿が彼に近いとは思えない。ときめく女性陣(読者含む)を見ていると本作の彼は文学界のback number的存在だったのかと感じさせられる。「君は僕が好きだよ」が印象的。整わない音楽と台詞の音量バランス。役者よりもストーリーよりも前面に感じる監督の存在。承認欲求。左利き。無限城のようなCGシーンは本作と不釣合いに思えた。見終わって思うのは、主人公が太宰治である必要性の無さ。人間失格と冠しているから見たという人ほど肩すかしを食らう気がする。史実の混ぜ方があまり好きではない。二階堂ふみさんの目の演技が良かった。個人的には『畜犬談』が好き。
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