くろさわ

人間失格 太宰治と3人の女たちのくろさわのレビュー・感想・評価

3.5
太宰治の代表作「人間失格」が作られるまでを描いたフィクション作品。3人の女性との関係が軸となっており、妻、愛人との生活を過ごしながら、小説家という人生に身を捧ぐ物語。

小栗旬の男の色気感、聞いていて恥ずかしくなるような甘いセリフの数々も小栗旬だと自然に聞こえてしまう。
そして、二階堂ふみのやばい女感と身体を張った演技、濡れ場が凄かった。
さらに、メインではないキャストの藤原竜也、高良健吾、成田凌など非常に良かった。

後で知ったけど、三人の女性を花の演出でも表現しており、蜷川実花という雰囲気の映画。映像が綺麗で引き込まれる。特に最後の人間失格を書くシーンは世界観がよかった。

一言で表すと、「作家の不倫物語」でしかない。

自分にとっては教科書でしか存在を知らなかった太宰治。実際の太宰治もこの映画のような人だったのかと気になった。この映画がきっかけとなり小説「人間失格」を読んだ。

現代にも通ずるところがあったり、誰しもが共感できるような話だと感じた。



現代にはあんな破天荒な作家はいないも思う。好き勝手に生きる小説家。時代を超えた今も注目される存在であることが凄いとあらためて感じた。