かさい

ジョジョ・ラビットのかさいのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

子供と大人の端境期を描いた作品。
10歳の主人公はナチスとしての姿勢を求められ、それが大人になることと信じている。
母親は自らを通して、主人公に10歳としてのあり方、そして大人のあり方を伝えようと努力する。主人公は母親の死とユダヤ人少女との交流で、心の中のヒトラーを追い出す。
ラストシーンで主人公が家のドアを開ける前、ユダヤ人少女の靴紐を結び、「外はとても危険だ」と言った仕草とセリフは、映画冒頭で彼が母親から受けたものと同じ。彼が10歳から大人になった瞬間だ。
「戦争」が10歳を大人にするのではなく、「愛」が10歳を大人にした。「シングストリート」と似通った構成は否めないけども、各所に個性が光っている。母親とは別な大人の像として登場する、大尉はゲイで反戦支持者というのもメッセージ性が強くてイイ。
エンドロールのボウイの「Heroes」のサビがあえてカットされていたのもおもしろい。わかりきった歌詞は使用しないということなのか。カットされたサビの一部を最後に引用する。

I, I wish you could swim
Like the dolphins, like dolphins can swim
Though nothing, nothing will keep us together
We can beat them, for ever and ever
Oh we can be Heroes, just for one day
かさい

かさい