あとくされ

ジョジョ・ラビットのあとくされのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.6
ナチにもいろんな人がいて、って話にするには、あまりに兵士になるための身体へと調整されていた多くのドイツ・アーリア人種たちは統一されきっていた。

誰しもにジョジョのような内なるヒトラーがいて、彼との対話を通してより最適な兵士へと鍛えられていったと、歴史の語るところだ。

とりわけ、男には。

だからこそ、男vs女の図式がクリティカルなものとなる。女性を硬い男に対して、流動的なものとして描いたのはテーベライトだったろうか。

この映画では兵士へと最適化されんとしていた男・ジョジョが、女でありユダヤ人であるところの少女とでくわすことで激震する、その動揺を見せてくれる。

おもしろかったのはジョジョと母親との関係と、それを引き継ぐようにユダヤ娘との関係に移ること。通底しているのは優しさだろうかね。すばらしい痛手とそれを忘れてはやらないことへの朗らかさ。
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